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先輩の体験談(阿蘇市)塩貝 怜氏

このページでは、「就農」をすでに体験された先輩方の体験談を掲載いたします。
これから就農を目指す方はぜひご覧ください。

氏名
塩貝 怜氏
就農年 2017年4月
就農地 阿蘇市
主な作目等 大玉トマト
主な農業従事者 本人・妻
就農の動機 埼玉の大学在学中に就職活動で、農業も選択肢の一つとして考え、職業としてやっていくことを決めました。 農業に決めた動機のひとつには祖母の実家でイチゴを手伝った思い出が楽しかったからです。 大学卒業後は、熊本県立農業大学校(プロ農家養成コース)で1年、JA阿蘇認定研修機関の受入農家で1年と合計2年間の研修を経て就農しました。研修中は、農業次世代人材投資事業(準備型)を活用し、現在は農業次世代人材投資事業(経営開始型)を活用しながら就農しています。
1.就農地と現在の経営概要について

私は2017年4月から阿蘇で独立して、今年就農3年目になります。作目は夏秋大玉トマトです。ハウス栽培面積は初年度16a(1600㎡)から1人で初めました。1年目の終わりに結婚してそれからは奥さんと2人で作業を行っています。2年目23a(2300㎡)、3年目28a(2800㎡)までハウス面積を増やしてきています。売上で1年目に830万、2年目に1000万以上を上げました。所得で言うと1年目は349万で、2年目は450万程度の予定です。今年からは青年就農給付金 経営開始型(現農業次世代人材投資事業 経営開始型)も所得制限によりもらえなくなります。青年等就農資金で借りたお金の返済も始まり、連作障害によりトマトが作りにくくなっていくので経営が上手くいくかはこれからが本当の勝負です。

 2.農業技術は何処で研修したか?また、その研修先に決めた理由は?

 農業技術については1年間熊本農業大学校プロ農家養成コースに通いました。農業の事が何も分からない自分にとっては幅広いジャンルの事が勉強できて、自分がやっていく農業の選択肢が増えたと思います。

養成コースに通う中で、篤農家(とくのうか)見学で行った阿蘇の斉藤信幸氏の話を聞きました。経験だけに頼らず、データや植物の知識による栽培方法や新規就農者で1000万以上の所得をあげている人もいる等の内容に惹かれ、養成コース卒業後、研修を受けさせてもらうことにしました。

作目の夏秋大玉トマトは冬に暖房などを使わないので、施設の投資が少なく、トマトの利益率が高いこともあり選びました。ただ作り方が難しく、売り上げに差が出やすいので、技術をしっかり学ばなければいけないとも思っていました。

青年就農給付金 準備型(現農業次世代投資事業 準備型)を2年間で300万もらいながら2年間の研修を受けました。

研修中に農業技術体系という本を読んで、斉藤さんの話を聞きながら知識をつけ、就農するための体づくりをして就農の準備をしていきました。研修が終わってからも斉藤さんの指導を受けながら栽培を行っています。。

3.農地はどうやって借りましたか?

 農地については私の場合は研修が決まった時点で、受入農家の齋藤さんがトマトを作るのに適した土地を探してくれました。地主さんとの間にも入ってくれて、利用権設定をさせてもらいました。新規就農の時、農地取得は一つの壁であります。地元でないものに土地を簡単に貸してくれる人は少ないです。耕作放棄地などの土地は貸してくれることはあるでしょうが、受入農家の齋藤さん曰く「耕作放棄地は作物が作りにくいところだから放棄されている。作りやすいところはもう誰かに使われているか自分で作っている。ただでさえ不利な状況な新規就農者は作目に合った有利な土地で作らないといけない。」との事でした。

4.ハウス施設や農業機械、農舎等の資金の確保、調達は?

 ハウスは中古と「攻めの園芸生産対策事業」(補助事業)を活用して新品を建てました。割合は半々ぐらいです。中古のハウスについては受入農家である斉藤さんのグループの先輩が買って置いていたものを使いました。中古ハウスの支払いも独立してお金が出来てから支払う形でいいと言われたので、すごく助かりました。トラクターや耕運機も受入農家の斉藤さんの所の物を使わせてもらい初期投資がかなり抑えられました。
 資金調達については自己投資が親から借りた250万、青年等就農資金270万を借りて始めました。中古ハウス等を合わせると約600万の借金からスタートです。

 5.販売について

 JAに全量出荷です。販売先は道の駅やネット販売など色々ありますが、出荷量を制限されず選果に時間を取られないので生産に集中できます。生産技術を高めることによって良いものを収量多く取ることが私たちの考えです。また価格が安くなった時は価格安定補填金もあります。選果料が高いという声もありますがそれに負けないメリットもあると思っております。

6.取り組んでいる農作物の課題及び苦労していることや農業をしてよかった点について

 トマトに限らず農作物を作る年数をある程度重ねると連作障害により収量は下がってきます。土を傷めず連作障害を遅らせて高い水準での収量を取っていく事が今後の課題です。そのために質の良い堆肥を作って入れ続ける必要があります。稲わらを入れて自分たちで堆肥を作って2年寝かせたものをハウスに入れていますが、稲わらの量が欲しい分確保できず思うように作れずにいます。堆肥の原材料の確保に苦労しています。

7. 今後の目標について

 これから5年目にはハウス面積を48a(4800㎡)まで拡張します。その頃から外国人技能実習生を受け入れて、雇用をしながら安定した経営をできるようにしていきます。目標は所得1000万です。

8.これから農業を新規就農を目指す人へのアドバイスを

 新規就農で農業を職業にするのはとても難しいです。就農する時に必要なことはいくつかありますが、初期投資を抑える事、規模拡大していく事、利益を上げ続ける事、そして一番大切な事は技術を持った人に教えてもらう事です。新規就農者は作物作りの技術が欠けています。書物での勉強も必要な事ですがそれだけではどうにもなりません。自分がやりたいやり方があると思いますが、まずは何年も成績上位にいるような人にやり方を教えてもらい真似していくのが間違いないです。そのやり方を覚えてから自分の目指すものを目指すのがいいと思います。私もこれからですが、皆さんも誰にも負けない技術力をもって、利益をあげて税金をたくさん納めて地域に貢献できる就農者になっていきましょう。