平成29年度 第1回セミナー講師

宇城市角心 拓也さん

就農年
2015年1月
主な作目等
トマト、ミニトマト(施設野菜)/ブロッコリー(施設野菜)
農業従事者
本人・妻

元々、飲食店の店舗管理をしていく中で、自分で経営をしたくなったからです。

角心 拓也さんの写真

就農地と現在の経営概要について

就農地は、研修後も技術を教えてもらう為にも研修を受けた師匠の近くである宇城市にしました。農地の取得面積は水田10a、畑7.8a(施設4.3a、露地1.8a)全て借地です。就農年数3年目で、就農地は宇城市不知火町です。 作物は、施設野菜のトマトとミニトマト、露地野菜でブロッコリーを作っています。

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今の作目を決めた理由は?

研修先の主力作物であり、収益も自分が思い描く経営の軸に出来ると思ったからです。

農業技術は何処で研修したか?また、その研修先に決めた理由は?

「有機農業」をしたく熊有研の養成塾にはいりました。そこで不知火町の受け入れ農家の「肥後あゆみの会」の農業経営力にも惹かれて1年間有機トマトの研修を受けました。

就農前の情報収集の仕方は?(相談会に行く、ネット検索、自治体訪問等)

ネット検索と4、5年前から就農相談会に出かけて具体的な話を聞きました。

農地の取得・ハウス施設や農業機械、農舎等の資金の確保、調達は?

先ず、就農地としては研修した不知火町に決めていました。そして、受け入れ農家さんを通じて40a準備して頂きました。その後は、地域の方々と交流を図り、自分の意思をはっきり伝えて借り入れていきました。
設備に関しては、ハウス設備に約400万、機械に100万かかりました。

最初に用意した資金はいくら? 経営開始する際に資金相談した場所は?

青年等就農資金を利用し700万借り入れ、ハウスを建て初期投資としました。
(青年等就農資金の貸付主体は、日本政策金融公庫です)

販売について

受け入れ農家さんが代表を務める法人を通じて販売して頂いています。
それと、最初に有機認証のJAS認証を取得して出荷しています。
通常、新規就農者の最初1年目~2年目は販売先に苦労するのですが、自分の場合は販売先を持った新規就農が出来たので、生産に力を入れることが出来ました。

現在の販売方法でいい点、悪い点は? 今後どうしようと思っているか?

良い点は、販売を一貫してお任せしているので、生産活動に重点を置けています。現状は、お金を返すため、経営基盤を整えるためにも生産に力を入れるために販売方法を変えることは考えていません。悪い点は、現状は販売力、営業力の向上に結びついていないので、今後は、流通の方々とも積極的に意見交換を交わし、販売力を高めていこうと思っています。

作っている農作物の課題・苦労している事や農業をしてよかった点について

有機栽培を行っているので病害虫対策は大きな課題。勉強会に積極的に参加し繋がりを広げて、自分に必要な情報を見つけて、いろんな対処法があるので理解した範囲から実践して、検証していきたいと思っています。
良かった点は、地域の人たちに支えてもらえていることを実感できる。いろんなサポートをしていただいている。そんなお世話になっている地域の方たちへお礼としてできた作物を食べてもらう。これ最高の幸せですね。苦労を苦労とは思わないけど、夫婦二人の労動力では計画実現へは限界を感じ、売上増収や規模拡大を企てるにあたって労働力の確保(雇用)をどう進めていこうかと思案中です。そして、やった分戻ってくるので、やりがいがあります。

今後の目標について

給付金(旧青年就農給付金事業、現在の農業次世代人材投資事業)ありきの経営ではなく、少しでも早く給付金に頼らない安定した経営基盤を整える。今年で就農3年目、脱給付金を実現させ、農業所得500万を目指します。

新規就農を目指す人へのアドバイス

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当たり前のことですが、農業を営むからには経営を持続させていかなければなりません。「農的暮らしをしたい」や「こだわりの野菜を作りたい」といった理想も大事だと思いますが、先ずは「農業経営でいくら稼ぎたい」ということを自分の中で明確に数字に出してみられると、それに向けての計画も立てていきやすいと思います。そして、少しずつ経営基盤が整ってきて余裕が出てきたら、理想を追い求めるほうにも力を入れていけばいいと思います。