平成26年度 第2回相談会&体験報告者

阿蘇郡南阿蘇村日高 正純さん

就農年
2012年1月(研修期間含む)
主な作目等
ミニトマト(露地野菜)/米(米)
農業従事者
本人

阿蘇にあるケーキ屋でパティシエをしていたときに、ケーキに使用する夏のイチゴの価格が非常に高く、青森や海外からイチゴを取り寄せていました。そのことをきっかけに、熊本でも夏のイチゴを生産できないかと疑問に思い、家庭菜園に取り組みました。そこで始めて農業の楽しさを知り、農家になりたいとの想いが強くなり、2年後の平成24年に独立就農を目指して南阿蘇村で研修を始めました。1年6ヵ月の研修を得て平成26年に就農しました。

日高 正純さんの写真

研修の状況

平成24年の7月、南阿蘇村の独立就農プログラムを受け、南阿蘇村で平成15年に新規に独立就農された榊敏行氏の元で、一年間トマト・イチゴ・米の栽培技術について研修をおこないました。
さらに、南阿蘇村の木之内農園にてイチゴの栽培技術と観光農園のノウハウを教えていただきました。
木ノ内氏、榊氏の二人とも非農家の出身で、自分の体験談も交えて、新規就農の心得を教えてもらいました。二人とも新規就農者の育成に強い意欲を持っておられ、自分のような新規就農者にトラクターの操縦やビニールハウスの作り方を教えて頂くなど、一人でも独立就農できるようにアドバイスをもらいました。

写真

就農への取り組み

平成26年1月に就農し、収益性や管理面から雨除けハウスによるミニトマト栽培に取り組むこととし、その雨よけハウスの導入は、特に初期投資を抑えるため、地元の農家の方から中古の連棟ハウスを譲り受け、地元の人の協力を得て独自建設しました。また、南阿蘇村の補助事業を活用し導入しました。
また、農地取得は、南阿蘇村農政課の紹介で、地元の農家の人から62aを借りることができました。
研修は受けてきましたが、ミニトマトの栽培管理については、JA営農指導員や県からのアドバイスを受けながら品質及び収量の向上を図りながら経営安定に努めています。将来的には、ミニトマトの栽培面積を、30aに規模拡大を行いたいと思っています。
さらに、地域の消防団への入団や地域の方に積極的に挨拶をするなど交流を図りながら、地域への溶け込みと地域の情報収集など、説教的に交流を図ることに努めています。

経営の特徴

以下のことを念頭に農業経営を行っています。
①誰も作ってない農産物を作る。
②出荷先をなるべく、手間のかからない所にして、栽培に専念できるようにする。
③健康に仕事をするために、睡眠・休憩・をしっかり取る。
④なるべく出費を抑えて、生産性を増す。
⑤最先端の技術を習得するために、研修もしくは勉強会に積極的に参加する。

農業への思い

農業は楽しい、自分で計画を立てて自分のペースでできる、そして、自分で作った作物を食べてもらい報酬をもらう、こんなに自由な職業は他にはないと思っています。
働き方にもよりますが、夏は働き、冬は休む、このように自由に勤務時間を決められるのも農業の魅力だと思います。担い手の減少、生産者の高齢化、耕作放棄地の増加等がニュースで話題となっておりますが、自分が少しでも減らせればと思っています。
今後は、技術研鑽をさらに行い、消費者から求められるような、だれにも負けないミニトマトづくりを行い、所得500万円を目指していきたいと思っています。

就業して苦労したこと

今就農しているのは自分一人で、何でも一人でしなければならない、ということは出荷も一人、収穫も一人、管理作業も一人、この様なことから普通の農家より、倍の時間がかかっていますので、日々の管理が遅れてしまいがちになっています。農業が楽しいことには変わりないのですが、経営の楽しさと辛さがわかりました。資金面で苦労することが多く、もっと資金があればもっといろいろなことに、挑戦できると思っています。

2016年現在の生産状況と結果

今期は地震の影響でミニトマトの苗の到着が早まり、いろいろと地震の影響で仕事に支障がいろいろ出た。特に人が集まらなくて、収穫の手伝いでアルバイトを数人雇っていたのが、全て来られなくなったのでミニトマトの栽培に影響が出て作業が追いつかなくなった。地震が原因とはいえ全ては自分の計画の見通しの甘さが出た一年だったので来年こそは収量を上げたい。

将来の目標

将来は九州全域に僕の作った農産物が行くようにしたいです。
詳しく言うと、学校給食の一品として出荷して、トマト嫌いが一人でもいなくなり、日高さん家のトマトなら食べられると言われるくらいに美味しい農産物を作りたいです。
具体的どうやって食味を良くするのか、方法又は生産力をもっと上げないといけませんが、目標へどうやったらたどり着けるのか?といろいろと疑問は尽きませんが生涯に渡って研究できるのでこれから毎年どんな作物が出来るのだろうかと、今から楽しみです。

新規就農を目指す人へのアドバイス

まずは、味方をたくさん作り地元に溶け込むことが一番良いと思います。農業は楽しいですが、それ以上に辛いことがたくさんあると思います。でもあきらめずに続けることが一番大事だと思います。自分のやりたい農業をなかなかできないこともあるかと思いますが、きちんと計画を立てて、それに向かって一歩ずつ進んでいけばいつかできると思います。