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玉名市 縄田 伊知郎氏

このページでは、「就農」をすでに体験された先輩方の体験談を掲載いたします。
これから就農を目指す方はぜひご覧ください。

氏名
縄田 伊知郎氏 (40歳)
就農年 2012年3月
就農地 玉名市
主な作目等 米、麦、大豆
主な農業従事者 本人・妻
就農の動機 前職が、糖尿病や腎臓病の方々の療養食を作る料理人でした。「身体に良い食事作り」を目指しており、有機農産物や減農薬、化学肥料を使っていない食材を使っていました。しかし、なかなか納得のいく食材が手に入らず、いつか自分で食材を栽培したいと考えていました。その後、結婚した妻の実家が玉名で農業を営んでいたこともあり、思い切って熊本へ移住し、農業の世界に飛び込みました。  
研修の状況

義父が米・麦・大豆を生産する農業者であったため、それを手伝いながら実地で技術を学びました。その後、農業の基礎や野菜作りも学びたいと思い、平成23年に熊本県立農業大学の新規就農支援研修を受講しました。その際に大型特殊の免許やけん引の免許も受講中に取得しました。

就農への取り組み

義父が機械類を持っていたこと、耕作していた田んぼが米作りに向いていたことと、私が大のお米好きであることから米を経営のメインにしようと思いました。そこで田を70a義父から名義変更して借り受け、平成24年に就農しました。

経営の特徴

農薬・化学肥料などは一切使わないことを前提とした美味しい米作りをすること、作ったお米は出来るだけ自分で販売し、生産者と消費者、お互いの顔が見える関係を作っていくこと。そして住んでいる地域か中山間地であり、基盤整備がされていないような農地ばかりなので、規模拡大よりも農産物の質を上げて適正な価格で販売すること。それらの目標をクリアするために‘八十八夜’という屋号を作り、名刺やパンフレット、米袋もデザイナーにデザインしてもらい、生産したお米を‘縄田米’という独自のブランドで販売するようにしました。去年より熊本グリーン農業の‘有作くん100’の認定を受け、来年は有機JAS認証を取得する予定です。
 また、熊本に来て出会い、意気投合した農家仲間で‘モスコミュールproject’というグループを作りました。生産者・料理人・消費者の三者をつなぐことを目標にしており、生産者が持ち寄った自慢の生産物をプロの料理人に調理してもらい、生産者自身が農産物のプレゼンテーションをしながらお客様に食事を楽しんで頂くという趣向のイベントなども行っています。今後はグループを会社組織にして雇用や三者の意見を取り入れた加工品の開発、販売ルートの拡大なども行っていく予定です。

農業への思い

農業は広大な土地、大量の水を使う産業です。それだけに環境に及ぼす影響が非常に大きいといえます。身体に良い農産物を作るということは同時に地球環境にもよいということです。農薬や化学肥料を使わずに栽培するのは大変です。ましてやそれを販売までして経営を成り立たせるのは非常に困難ですが、色々な方の知恵や力を借りながら頑張っていきたいと思います。

就農して苦労したこと

農薬を使わないのでほ場の管理が一番大変です。前述のとおり基盤整備されていない棚田なので土手が3~4mあるところもあります。それを除草剤などは使わず、すべて草刈り機で行います。田んぼに生えてくる雑草も初期は動力除草機(ガンズメ)を使いますが、そのあとはすべて手取り除草です。友人によるボランティアや家族全員で行っています。

新規就農を目指す人へのアドバイス

農業はただ農作物を作ればいいというわけではありません。新規就農ということは農業経営をしていくということです。いつ何を生産して、どこにいくらで売る、それをすべて自分で決めなくてはいけません。さらにそこから自分の強み、他の農家と違うところを見つけていかなければ生き残っていけないと思います。そこが苦しいところでもありますが楽しいところでもあります。既成概念にとらわれることなく新しい発想やアイデアで農業を盛り上げていきましょう。