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宇土市 森 百合氏

このページでは、「就農」をすでに体験された先輩方の体験談を掲載いたします。
これから就農を目指す方はぜひご覧ください。

氏名
森 百合 (48歳)
就農年 2015年1月
就農地 宇城市三角町
主な作目等 柑橘類(不知火、温州みかん等)
主な農業従事者 本人、義母
就農の動機 子供のころから植物が好きで、ベランダで花や野菜を育てていました。実家は非農家なので農業とは縁がなかったのですが、夫の実家が100年続くかんきつ専業農家で、初めてみかん畑を見たときからその風景が大好きなので、結婚当初から「いつかは熊本に帰って農家を継ぐのもいいなあ」と漠然と思っていました。両親が病気がちになったこともあり、近いうちに実家に帰ろうかと話が出た矢先に義父が急逝し、予定より早く帰郷し就農することになりました。
研修の状況

みかん作りを教えてもらう予定だった義父が亡くなったため、義母や周りの農家さんなどに教えてもらいながら就農する予定でしたが、熊本県立農業大学校で新規就農支援研修が行われていることを知り、平成26年度に受講しました。研修でかんきつ栽培についてはほとんど扱われませんでしたが、農業経営の一般的な知識や、土づくり、病害虫についての知識を学びました。
 研修は20代から60代までの様々な職業を経験してきた人の集まりで、いろんな考えを持っている方がいらっしゃったので、意外な発想があったりとても勉強になりました。同期のメンバーとは今でも連絡を取り合って、お互い情報交換しています。

就農への取り組み

県立農大新規就農支援研修修了後、平成27年1月に就農しました。
 我が家の栽培方針はすべて義父が管理していて誰にも伝えていなかったため、長年義父と仕事をしてきた義母が大まかなことは分かっているものの、細かいことについては相談することができず苦労しました。
 義父が亡くなって以来現在も経営主は義母なのですが、自分達だけで管理することが難しく、不知火を中心に50aのみかん園を義母と2人で管理しています。時間に余裕がある今のうちに、勉強会に参加したりそこで出会った農家さんを訪問したりして栽培技術を勉強しています。また、新たな販路拡大のためにネット販売や新規販売先について調べています。
 来年度、現在近隣の農家さんに管理していただいている約1.5haのみかん畑が戻ってくるため、私が義母から農地を借り受け、経営を引き継ぐ予定です。この園をこれからどのように管理していくか検討しているところです。

 
農地及び施設の確保

私の場合は夫の両親からの継承なので、農地および施設については特に新規取得はありませんでした。
私がまだ不慣れなこともあり、現在みかん畑の大部分を近隣の農家の方に管理していただいているのですが、来年度からはすべての畑が戻ってくることになっているので、管理方法や人手不足などが今後の課題となっています。

資金の確保

今のところ義母が経営者なので、経営資金は以前からの経営の黒字分で賄っています。今年度から不知火の一部について順次改植を行うので、その資金は果樹経営支援対策事業(改植)および果樹未収益期間支援事業による補助金を活用することとしています。
また生活費については、農業の経営が落ち着くまでは、夫はこれまで通り会社員として働き生活費に充てています。

経営の特徴及び今後の方向

現在青果品の出荷は、以前からの仲買いの方と個人販売のみで行っています。
 来年度から栽培面積が増えるので、新たな出荷先も検討中です。
栽培に関しては、これまでも除草剤を極力使わず、減農薬でかんきつを栽培していましたが、今後、有機栽培や自然栽培にも取り組んでいきたいと考えています。
 まずは昨年度熊本グリーン農業の「環境にやさしい農業」を宣言しました。
これからステップアップしていく予定です。
 また、より付加価値を高めるためドライフルーツやジュースなどの加工品も試作中で、今年度末には販売を開始できればと考えています。

 
新規就農を目指す人へのアドバイス

農業を仕事にするということは、農業法人などに勤務する場合を除けば事業主になるということであり、作物を作るだけでなく、販売や生産を管理し、自分自身で経営をしなければなりません。ちゃんと生活していける、生き残れる農業経営をするには、「これがうちの売り」と自信を持って言えるものがないと厳しいと考えています。
とはいえ、最初は何も分からないですから、まずは自分の目指す農業に近いことを実践されている先輩農家さんに会いに行き、たくさん話し、学ぶことから始めるといいと思います。
大変なことも多いですが、喜びも多い仕事です。一緒に楽しみながら頑張りましょう。